- 2010-04-01 (木) 0:21
- Asides

身近なものでも知らないことはたくさんあります。 でも、あるきっかけでちょっとわかれば、より面白くなる。 デザインをわかりやすくするという D&DEPARTMENTは、ロングライフな「もの・こと」をわかりやすくする勉強会を開催しています。
今回東京店で開催するD勉強の会は、埼玉県川越市にあるビールメーカー「コエドブルワリー」の朝霧重治さんをゲストにお迎えして、身近にありながら意外と知られていないお酒「ビール」についてお話を伺うナガオカケンメイとのトークイベントです。
埼玉県川越市に本社をかまえる「コエドブルワリー」は、小規模ながら職人の手作業によって手間暇をかけたビール”COEDO BEER”の製造、販売をしているメーカーです。朝霧さんにはビールのプロとして、知っているようで知らないビールの知識や楽しみ方などビールの幅広い世界についてお伺いします。
ビールの原料になる麦の試食やビールの飲み比べなども実施します。
ビール好きな方はもちろんビールは苦手と思っている方にも参加してほしい勉強会です。今までのビールに対する考え方が大きく変わるような発見に出会えます。
今回のD勉強の会は、「正しいビールの楽しみ方」。コエドブルワリーの朝霧さんを迎えてビールについて勉強です。去年のクラフトバイヤーの日野さんの「日本のものづくり産地でおこっていること 私たちができること」以来のD勉強の会の参加です。


これまでのビールのポジション
ぼくが思うアルコールといえば、やっぱりビールだ。サザエさんちだって、波平とマス夫さんがいつもおうちで飲んでいる。そして、ビールは飲み会では初めの1杯にみんなが頼むもの「とりあえずビール」といわれる、とりあえず飲むならビール。それぐらい身近なアルコールじゃないかな、と思います。ビールを飲んでから、他のアルコールを飲み始める。そんなイメージ。
しかし、身近すぎるのか、ビールといえば大手のビールメーカーがつくっているような黄金色の炭酸がしゅわしゅわした飲み物としか認識されてないんではないのか、と。最近でこそ銘柄を選んで頼むようなことがあるわけだけれども、昔(っていつぐらい前なのかわからないけど)は、ビールはビールでしかなかったわけです。
ビールは聞くものではなく、飲むものです。

ということで、今回はビールの試飲をしながらの勉強会でした。白、漆黒、紅赤、サッポロ生ビール、とすべてD&DEPARTMENT PROJECTで扱っているものでした。
いろんな種類の麦芽がとてもおいしかった。麦の種類ではなくて、加工の仕方によっていろんな種類があるわけです。黒ビール用のブラックという麦芽はやっぱり焦がしたものだったので、それはそういう味がしたわけですが。あと、サワーという麦芽は乳酸で、ああ乳酸!って味がしました。ビールって弱酸性なので、オーガニックで酸性にするための麦芽らしい。あとは、ホップ。ホップってなんのために使ってるのかわからなかったし、それがどういうものであるかが全く想像できなかったわけです、これまで。実際に使用されるホップはペレット状に固められたものだったので、さらによくわからなかったですけれど。ああ、これ業務用か、と。
ホップは、苦みづけと香りづけのために使うもので、それぞれビターホップとアロマホップという。ホップそのものはとても苦いらしい、食べてもいいけれど、翌日ぐらいまで苦みが舌からとれないらしい。入りたてのビール職人などが通過儀礼的に食べさせられるような、ある種の罰ゲーム要素のあるのが、ホップです。
発酵に関しては、室温発酵と低温発酵の製法がある、と。室温発酵でできるビールがエールと呼ばれ、低温発酵でできるのがラガー。エールは個性が際立ち、ラガーはまとまりのある味になるらしい。
とにかく、その製法やビールの材料を個々に味わうこと、またそのお話を聞くことがビールへの興味をそそるわけです。身近なビールは実はこんなにも奥深いし、おもしろい。「とりあえず生!」で通り過ぎるにはあまりにももったいないことです。
地ビールとクラフトビール
地ビールブームが以前にあったわけですが、それは規制緩和によって小さなところでもビールが作れるようになったことと、竹下内閣のときのふるさと創世一億円があったことで各地にできはじめた。しかし、しっかりとしたビール職人がいないままに作られたビールたちは、地方のお土産物としてちょっと高い、ビールっぽい飲み物として扱われるようになっていった、と。コエドブルワリーは、地ビールとは言わず、職人ビール、クラフトビールという。マイクロブルワリーでビール職人がつくるビール、それがクラフトビールである、と。ビールというものを追究してい作っているコエドブルワリーは、麦は国産ではなくすべて輸入。地のものを使わずに使っているから、地ビールと言われることに違和感を持っている、と。紅赤だけは地のさつまいもを使っているので、地ビールといえる。ただ、紅赤のみだ、と。それも、麦芽を使っていないものは日本ではビールではないので、紅赤は発泡酒扱いになるので、それも微妙な感じがします。
コエドブルワリーでは、ドイツのビール職人にしっかりと仕込まれたビール職人で作っている。輸出もしており、世界でも高い評価を受けている。まさにクラフトビールです。ドイツ人が褒めた日本のビールです。
地ビールという認識しかされないところからいかにして脱却するか、それが熟練の職人によって作られた本格ビール、クラフトビールである、と。また、大手との競争をしないために、大手にはできないことをする。(プレゼンスライドに COEDO ブルーオーシャン戦略とタイトルがあった)
ビールの楽しみ方
朝霧さん自身はお酒に弱い、だからこその楽しみ方としていろんなビールを味わうこと、と。スローなビールの楽しみ方がある。
また、いわゆる一般的なビールだったら、油ものだったり塩辛いものだったりとお酒のつまみ的なものが合うかもしれない。コエドの5種類のビールは味の違いが明確だし、一般的なビールとは違ったビールであるので、もっといろんな食べ合わせが考えられる、と。また、ビールに合わせた食べ物、食べ物に合わせてビールを選ぶということもひとつの楽しみ方だ。


そんなところに出てきたのが、COEDO紅赤とガトーショコラ。さつまいもを使ったこれまでにないビールは意外と甘いものに合うということで、実際に飲んで食べました。さつまいもを使ってアルコールを作っているのは日本だけだそうだ。
ロングライフなビールってなに。
ビールは楽しい、と。ビール文化を広げることにそれはあるんじゃないか、という感じだった。ビールは奥深いし、いろんなビールが世界にはまだまだあるし、それぞれに楽しみ方がある。その楽しみ方はまた人それぞれです。ただ、残念ながら日本のビール市場は縮小し始めているらしい。世界規模でみると拡大しているみたいだけれど。
D勉強の会って、素朴すぎる、純粋すぎる疑問に、専門家やそれを行っている人たちが真摯に答える場、でした。一緒に行った後輩の@adukaはなんか小難しいことを書いてるし、COEDOビールはあまり好みじゃなかったみたいだったし、これはワイン的なことを2、3回言ってた。
最近、モノの先に人が見えないとどうもしっくりこないと思ってしまうのです。ちゃんと作った人やそれを販売する人がちゃんと見えるモノじゃないと、気に入らなくなってしまった気がします。
こちらも合わせて読むといいと思います。
- D&Dの正しいビールの楽しみ方 – Adukan
- ビールの正しい楽しみ方 | おいしい毎日
- Togetter – まとめ「D&DEPARTMENT『正しいビールの楽しみ方』」
- 創業の精神 » 後継者へのインタビュー » (株)協同商事 コエドブルワリー(3) 代表取締役副社長 朝霧 重治氏
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